芸術の秋。
気づけば今年も残りわずか。随分と寒くなってまいりましたが体調を崩されておりませんでしょうか?
先日、岐阜県の根道神社参道脇にある貯水池、通称「モネの池」を訪れてみました。いつの頃からかこのように呼ばれるようになった「名もなき池」。週末ということもあって、たくさんのお客さんで賑わっておりました。
このあたりは少し前まで、駐車場が十数台分しかなく大渋滞していたそうです。現在は地元の方が有志で土地を提供し、駐車場を整備されているとの事で、渋滞も全くありませんでした。そういった方々のご尽力があって、このような場所が守られている事を忘れてはいけないなぁとつくづく思い知らされました。
池は噂通りの美しさ。紅葉が深まる中、色鮮やかな鯉が優雅に泳いでいました。額にハートがある鯉は見つけられませんでしたが、綺麗な景色に心癒されリフレッシュできました。
インターネットで見てみると、雪が積もる池もなかなか風情があり良さそうです。
ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
気が付けば今年も。
今年もお盆が近づきました。多くの方々が故郷へ帰省されることでしょう。
私の生家は岐阜県の加茂郡ですが、長らく空家のままにしてあって、時折墓参りする際に立ち寄り、山林の空気や川の流れと共に遠い記憶を呼び戻す安らぎの地でもありました。
残念ながら廃屋の宿命とでもいいますか、建物の一部が朽ち落ちたのを機に思いきって解体するとともに、お墓も現在の住まいである愛知県一宮市へ移設しました。
生れ故郷との縁が切れてしまうような寂しさを感じながらの移転でしたが、豈図らんや20年近い月日がたつにもかかわらず様々なご縁によって、当地を訪れる機会が続いております。そんな折りにはしみじみと、先代が名付けた「加茂建設」という商号の意味深さを感じます。
とかく「今」に流されがちな日常を、謙虚に反省させるための摂理であると素直に捉えらえるのは、日本中に流れるお盆という空気のせいでしょうか。
思いがけない出来事に。
朝からの行事を済ませ、帰路についたのはもう午後6時過ぎでした。
会場を出ると、そこは曇天にもかかわらず温室の中のような蒸し暑さです。行事で顔を合わせた女性を見かけたので会釈すると、スマホを耳にしたまま手招きされました。そして指さす先を視線で追えば、驚きました。老人が倒れているではありませんか。
聞けば、その状況に遭遇した女性は救急の連絡をしていたところだと言われます。とにかく、脈をとってみますがよくわかりません。肩を叩いて声をかけてみますが、応答は全くない状態です。うっすら息はあるようです。再び肩を叩き声掛けを繰り返しますが、変化はありません。
どうしたらよいのか困り果てて、女性に「寝かせて蘇生しましょう」ともちかけたところで、救急車のサイレンが聞こえ、時を置かず到着してくれました。「大丈夫ですよ」との救急隊員の言葉に心底安堵しました。幸い命には別条なかったようです。
高齢化そして亜熱帯化の進む日本です。いつ何どきこのような事態に出くわしても不思議ではありません。その時どういう措置をしたらよいのか。しっかり学習しておくことの大切さを思い知らされた出来事です。
逆転の発想。
私たちの町内には氏神様が二つあります。
ひとつは770年ほど前に陸奥国塩竃神社を分祀した六所神社(祭神 猿田彦命)、残るひとつは700年ほど前に熊野国熊野神社を分祀した十二所神社(祭神 伊弉諾尊)です。ともに町内で持ち回りの氏子役によって、年中の祭礼が脈々と受け継がれてきました。
そんな神聖なものであるにも関わらず不届きものがいるもので、長らく賽銭泥棒に悩まされていました。お金の管理を仰せつかった方は根気に回収をするのですが、絶妙なタイミングで錠は壊され、浄財が奪われることがしばしば。
「なんとかならぬものか…」と相談され、困ったあげく考案されたのが
『鍵をかけない賽銭箱』
これは効果絶大で設置以来5年、未だにお金を抜かれたことはありません。もっともこの先いつまでも大丈夫という保証はありませんが 「鍵を設ければ、相手にヒントを与えている様なもの。鍵をなくせば泥棒も困るではないか。」という発想は、目からウロコです。
隠れた名店。
大阪を訪れました。
所用を済ませた後、近くの住吉大社へ参拝…ここは遡ること千八百年前、時の神功皇后が住吉大神を鎮斎されたことに始まるといわれており、御本殿は「住吉造」とよばれる神社建築としては最古の様式で、妻入りです。奥から第一本宮、第二本宮、第三本宮と直列に並び、第三本宮の脇に第四本宮が並列に並ぶという珍しい配置です。
台風一過にもかかわらず曇った空からはポツリポツリと雨粒が落ちてきます。境内は人もまばら、驚いたことに外国からの旅人ばかり。堀に映る住吉反橋(太鼓橋)が雨のしずくの織りなす波紋にゆれる情緒は、きっと気に入っていただけたのではないかと思います。
ちょうど昼食の時間でしたので、スマホで検索。訪れたのは大社の西北、路面電車の住吉停留場近くにあるウナギ屋『いづもや』さん。「千円で満足」との情報に、このご時世に本当やろかと冷やかし半分で…「よくぞ見つけた」といえるほど小さな店構えを発見、わくわくしながら古びた暖簾をくぐったわけです。
店内も実に超レトロ 「…実にいいねエ」。訊けば戦後間もなく始められたといわれます。きっと七十年の間、そのままの佇まいなのでは…。そして壁には「鰻まむし」の値札が、なんと六百円から二千円まで並んでおります。何でも、ウナギの量の違いとか。ここは情報を信じて千円のものをオーダー、待つこと5~6分、出された器の蓋を開けるとそこには、タレのよく混ざったごはんの上にそこそこの鰻が乗っているではありませんか。やや感動して、口に運べば…「ウッマァ~」。
口数の少ないおかみさんでしたが、まさに『物価へのチャレンジャー』です。同行の四人全員が感服のお店でした。
毎日ひよっこ。
NHKの朝ドラ…楽しみにしている方も多いことでしょう。
斯く言う私も、数年前の『梅ちゃん先生』を手始めに、すっかり朝ドラファンとなってしまっております。特に現在放映中の『ひよっこ』なぞは、描かれている時代背景が自分のそれに近いこともあり、労働意欲を喚起するためのカンフル剤的効果もあるような気がします。都合悪く見逃しても、ちゃんとフォローしてくれるダイジェストやサイトなどがあり、ストレスとならないところも気に入っています。
主人公のみね子が、おっとりとした茨城弁で「おとうさん~」と行方不明の父に語りかけるセリフがまたいい…と思うのは、やはりこの年になった故のことでしょうかね。岐阜の山間部で幼少期を過ごした身にとって、なんとなくリズムが合います。
今回は「書き下ろし」と聞いています。果たしてこれから3か月間どんなストーリーが展開されるのか、日々の楽しみとしたいと思います。
意外な友とのつながりに。
犬山城を木曽の川面越しに臨む位置に『ボン・ムー』というレストランがあります。建物からしてかなり古い歴史を醸し出している落ちついたお店です。
特にここのピザがおいしくて(個人的見解かもしれませんが…)、妻とともに年に幾度か訪れているのですが、先日ひょんなことからこのお店のことが話題になり、なんとなく甘酸っぱいようなそしてほのぼのとした気持ちに浸ることができましたので、今日はそのことを少し…。
同世代である彼は、奥様との恋愛時代から新婚のころ、このロケーションのいいお店へ足しげく通ったそうで、懐かしそうに笑みとともにゆっくり静かに語ります。あれから数十年の年月が流れているにもかかわらず、今なお昔の雰囲気を保ちつつ開かれていることを知り、殊のほか嬉しそうな表情を浮かべたのは言うまでもありません。
木曽の流れを堰きとめた湖水の周りは、遊歩道として整備されています。一時間もかければ周回できるでしょうか。また、コンクリート造であった対岸のホテルも今は景観になじむ和風のものとなりました。
若き日の思い出を愛妻と語らいながら、歩みをともにされてはいかがでしょうか。