隠れた名店。

 大阪を訪れました。


 所用を済ませた後、近くの住吉大社へ参拝…ここは遡ること千八百年前、時の神功皇后住吉大神を鎮斎されたことに始まるといわれており、御本殿は「住吉造」とよばれる神社建築としては最古の様式で、妻入りです。奥から第一本宮、第二本宮、第三本宮と直列に並び、第三本宮の脇に第四本宮が並列に並ぶという珍しい配置です。


 台風一過にもかかわらず曇った空からはポツリポツリと雨粒が落ちてきます。境内は人もまばら、驚いたことに外国からの旅人ばかり。堀に映る住吉反橋(太鼓橋)が雨のしずくの織りなす波紋にゆれる情緒は、きっと気に入っていただけたのではないかと思います。


 ちょうど昼食の時間でしたので、スマホで検索。訪れたのは大社の西北、路面電車の住吉停留場近くにあるウナギ屋『いづもや』さん。「千円で満足」との情報に、このご時世に本当やろかと冷やかし半分で…「よくぞ見つけた」といえるほど小さな店構えを発見、わくわくしながら古びた暖簾をくぐったわけです。


 店内も実に超レトロ  「…実にいいねエ」。訊けば戦後間もなく始められたといわれます。きっと七十年の間、そのままの佇まいなのでは…。そして壁には「鰻まむし」の値札が、なんと六百円から二千円まで並んでおります。何でも、ウナギの量の違いとか。ここは情報を信じて千円のものをオーダー、待つこと5~6分、出された器の蓋を開けるとそこには、タレのよく混ざったごはんの上にそこそこの鰻が乗っているではありませんか。やや感動して、口に運べば…「ウッマァ~」。

 


 口数の少ないおかみさんでしたが、まさに『物価へのチャレンジャー』です。同行の四人全員が感服のお店でした。

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