逆転の発想。
私たちの町内には氏神様が二つあります。
ひとつは770年ほど前に陸奥国塩竃神社を分祀した六所神社(祭神 猿田彦命)、残るひとつは700年ほど前に熊野国熊野神社を分祀した十二所神社(祭神 伊弉諾尊)です。ともに町内で持ち回りの氏子役によって、年中の祭礼が脈々と受け継がれてきました。
そんな神聖なものであるにも関わらず不届きものがいるもので、長らく賽銭泥棒に悩まされていました。お金の管理を仰せつかった方は根気に回収をするのですが、絶妙なタイミングで錠は壊され、浄財が奪われることがしばしば。
「なんとかならぬものか…」と相談され、困ったあげく考案されたのが
『鍵をかけない賽銭箱』
これは効果絶大で設置以来5年、未だにお金を抜かれたことはありません。もっともこの先いつまでも大丈夫という保証はありませんが 「鍵を設ければ、相手にヒントを与えている様なもの。鍵をなくせば泥棒も困るではないか。」という発想は、目からウロコです。