本音と建前。

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こんにちは。毎度ご無沙汰しております。

まだまだ寒い日もありますが、桜の開花宣言も進み、春めいてきました今日この頃。

みなさまいかがお過ごしでしょうか?

私は春の訪れを喜びながら、日々花粉と戦っております。

 

さて、今日は『建前』について少しお話したいと思います。

弊社では建前の際、おかめさんのついた御幣をお祀りします。

私も初めは『なぜおかめさん?』と疑問に思った事もありましたが…

それにはこんな由来があります。

 

 大報恩寺の本堂が建築された時に、この大工事の棟梁であった「高次(たかつぐ)」が大切な柱となる木材を短く切り過ぎて憔悴しきった姿に、その柱を使うために枡組という技法で継ぎ足すように提案し、夫の窮地を救った妻「阿亀(おかめ)」を偲んで設けられました。


阿亀は助言によって夫が難局を乗り切ったにもかかわらず、「(建築のプロでもない)女性の提言で棟梁ともあろう人物が大工事を成し遂げたと知られれば、夫の名誉を汚し、信用も失うのではないか。この身を夫の名声のために捧げよう」と上棟式の前日に自害してしまいました。


棟梁の高次は、本堂の上棟式にあたり、妻の冥福と工事の無事を祈って、永久にこの本堂が守られる事を願い、亡き阿亀(おかめ)に因んだ福の面を扇御幣(おうぎごへい)に付けて飾りました。


現在でも、上棟式でおかめ御幣が柱に飾られるのは、おかめの徳を偲んで、永久に保つような頑丈な建物となり、繁栄を祈るためとされています。

                     千本釈迦堂 大報恩寺 HPより

 

おかめさんの付けられた御幣には、こんな物語があったのですね。

知っているようで知らない、建築にかかわる物や道具の意味。

こうやって紐解いていくとおもしろいですね。

またこうした言い伝えが消えてなくならないように、若い世代にも伝えていく事も忘れてはいけないと感じました。